2023.12.26
喫煙所コラム
喫煙所を屋上に設置することはできるのか?その条件とは?
日本では、受動喫煙防止がルール化されていますが、喫煙所を設置することができる場所とできない場所について正しく理解していますか?
今回のコラムでは、「喫煙所を屋上に設置することはできるのか?」「設置するための条件はあるのか?」について解説します。
特定屋外喫煙場所を屋上に設置することが可能
すでに、日本では喫煙に関する法律が改正され、受動喫煙防止がルール化されています。
そこで、知っておきたいのが喫煙所を設置できる場所とできない場所についてです。
ルールは、施設の種類によっても異なりますので、正しく理解しておく必要があります。
とくに、注意しておきたいのが、学校や病院などの第一種施設です。
第一種施設では、原則敷地内禁煙というルールとなっています。
ただし、受動喫煙を防止するために必要な措置がとられている場合には、「特定屋外喫煙場所」として喫煙所を設置することができるのです。
特定屋外喫煙場所の設置が可能であると解説しましたが、屋上に設置することはできるのでしょうか?
厚生労働省の資料である、「改正健康増進法の施行に関するQ&A」によると、「屋上やテラス、ベランダ、外付けの非常階段等に特定屋外喫煙場所を設置することはできるのか。」という問いに対して、改正法における「屋外」に該当する場所であり、要件を満たしていれば、設置することが可能であると書かれています。
ですから、要件を満たせばという条件が付きますが、屋上に特定屋外喫煙場所として、喫煙所を屋上に作ることは可能であると言えるのです。
特定屋外喫煙場所を設置するには、3つの要件を満たす必要がある
先ほどは、屋上に特定屋外喫煙場所の設置が可能であると解説しました。
ただし、要件を満たした場合の話です。
次に、どのような要件を満たせばよいのか、について見ていきましょう。
満たすべき要件は、3つあります。
① 喫煙場所と非喫煙場所が区画されていること
② 喫煙場所であること標識によって掲示すること
③ 施設の利用者が通常立ち入らない場所に設置すること(建物の裏や屋上)
以上に挙げた3つの要件を満たしていれば、特定屋外喫煙場所の設置が可能となります。
反対に、3つの要件を満たしてなければ、設置することはできません。
ここで、気になるのが屋上に特定屋外喫煙場所を設置しているところはあるのか、ということです。
この点については、次のような例があります。
● 奈良県香芝市
市役所庁舎屋上に、職員・議員用の特定屋外喫煙場所を設置しています。
● 愛知県岡崎市
市役所本庁舎では、東駐車場及び西駐車場の屋上に特定屋外喫煙場所を設置。
● 北海道釧路市
市役所本庁舎及び防災庁舎の屋上に特定屋外喫煙場所を設置している。
上記に挙げたのは、あくまでも一例ですが、しっかりと要件を満たしていれば、屋上に設置が可能であることがわかるでしょう。
設置する際に注意しておきたいポイント
ここまで解説してきたように、要件を満たせばという条件がありますが、喫煙所(特定屋外喫煙場所)を屋上に設置することができます。
ただし、設置する際には、次のような点に注意しなければなりません。
● 要件を満たしていても隣の施設に隣接する場合には、設置しない等の配慮が必要となる
● 施設の利用者が通常立ち入らない場所がないという場合には、設置ができない
まず、正しく理解しておかなければいけないのが、要件を満たしていれば、無条件で設置ができるというものではないないということです。
例えば、要件を満たしていても、隣接する施設がある場合には、基本的には設置をしないという配慮が必要となります。
そのまま設置を進めてしまうと、たばこの煙や臭いなどをめぐり、大きなトラブルになってしまう可能性が考えられるでしょう。
最悪の場合には、訴訟に発展してしまう可能性もあります。
ですから、要件を満たしているかも大切ですが、設置する前に周囲の状況をしっかりとチェックすることが重要となるのです。
もう1つ忘れてはいけないのが、施設の利用者が通常立ち入らない場所がないという場合には、設置ができないということ。
通常立ち入らない場所というのは、すでに解説していますが、建物の裏や屋上を想定しているものです。
施設によっては、そのような場所がないということもあります。
ない場合には、そもそも設置ができないということを覚えておきましょう。
喫煙に関する法律、喫煙が可能な場所なども確認しておくことをおすすめします。
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施設別導入事例
まとめ
第一種施設では、原則敷地内禁煙というルールですが、一定の要件を満たせば、特定屋外喫煙場所の設置が認められています。
建物の裏や屋上などへの設置が可能です。
実際に、市役所庁舎の屋上などにも設置されている例があります。
ただし、要件を満たしていても、設置が難しい場合がありますので、設置する際には周囲の状況にも十分な注意が必要です。