2023.07.06
喫煙と健康
全面禁煙を行えば生産性は向上するのか?分煙を検討しよう
日本では、喫煙に関する法律が変わり、受動喫煙防止がルール化されています。
それに伴い、企業の中でも全面禁煙を実施する企業も出てきました。
全面禁煙を行う理由は、受動喫煙の防止だけでなく、生産性の向上というものもあるようです。
今回のコラムでは、「全面禁煙にすることで生産性が向上するのか?」について解説します。
全面禁煙にする理由の1つは生産性の向上のため
新聞などでも報道されることがありますが、一部の企業では、屋外も含めた全面禁煙を実施しているところもあるようです。
全面禁煙を実施する理由としては、社員の健康維持・促進、疾病予防および受動喫煙の防止などが主な理由として挙げられていますが、「生産性の向上」も理由の1つと考えられます。
では、どうして全面禁煙とすることで生産性向上につながると考えているのでしょうか?
「喫煙する時間をなくすことで仕事に使える時間が増えるため」と考えられます。
喫煙する社員の場合、業務中に喫煙をするために席を立ち、喫煙所に向かうことになるでしょう。
また、屋内や屋外などに喫煙所が設置されていなければ、喫煙可能な場所まで移動することになります。
さらに、喫煙者の場合には、1日に1回ではなく、何度も喫煙するために席を立つため、多くの無駄な時間が発生していると考えられているのです。
1回あたりの時間が5~10分程度であっても、それが1日に複数回も行われると非常に多くの無駄な時間が発生することになります。
喫煙する従業員の数が多くなればなるほど、無駄な時間が多くなり、企業全体の生産性が低下してしまうと考えられているのです。
全面禁煙にすれば生産性が向上するとは限らない
さきほど、解説したようにたしかに全面禁煙とすることで、喫煙のための時間をなくすことができますし、生産性が向上するかのように感じることでしょう。
しかし、全面禁煙にしたからといって、必ずしも生産性が向上するとは限りません。
喫煙者からすると、喫煙することができなくなり、大きなストレスを抱えることになります。
経営者側からすると、喫煙できない環境を構築することで、自然に生産性が向上すると考えているでしょうが、大きなストレスを抱えたまま社員に仕事をさせても、生産性が向上するとは考えられません。
ストレスによって、集中力が低下してしまうケースなども十分考えられます。
集中力が低下してしまえば、生産性が向上するどころか、反対に低下してしまうことになるでしょう。
そのため、全面禁煙をすれば生産性が向上するとは限らないのです。
喫煙を行う目的は、人によって異なりますが、人によってはリラックスする目的やストレス解消のためという場合もあります。
ですから、全面禁煙よりも分煙にした方が、生産性が向上する場合もあるのです。
全面禁煙よりも分煙がおすすめ
全面禁煙をしても、生産性が向上しないケースもあると解説しました。
全面禁煙をしないのなら、どのような選択をすればよいのでしょうか?
おすすめなのは「分煙」です。
分煙を行うことによって、喫煙者と非喫煙者が共存できる環境を構築することができます。
一般的な企業では、喫煙者と非喫煙者の社員が混在していますので、どちらかだけの意見を採用するのではなく、どちらにとっても働きやすい環境を構築することが大切です。
分煙を行い、喫煙できる場所やルールを決めて、社員にルールを徹底させることが重要となります。
分煙を行う場合には、法律に基づいて喫煙所を設置することが必要です。
施設の種類によって、設置できる場所などに違いがありますので、しっかりと確認しておくとよいでしょう。
とくに、屋内に基準を満たした喫煙所を設置する場合には、たばこの煙やニオイが漏れないようにすることがポイントです。
もしも、煙やニオイが漏れ出してしまうと、望まない受動喫煙や非喫煙者からのクレームなどにつながる恐れがあるため。
設置場所を工夫する、脱臭機などを設置する、などの十分な対策を行うとよいでしょう。
全面禁煙としてしまうのは、簡単なことですが、それでは喫煙者と非喫煙者の共存が難しくなってしまいます。
喫煙する社員とそうでない社員の両者が、共存できる環境を構築するのがよいでしょう。
共存できる環境を構築して、しっかりとした喫煙ルールを設けることで、生産性も向上すると考えられます。
ぜひ、分煙についてしっかりと考えてみましょう。
弊社では、専門の分煙コンサルタントを配置しておりますので、お気軽にご相談ください。
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まとめ
生産性の向上などの目的で、全面禁煙を考える企業もあるようですが、全面禁煙とすれば生産性が向上するとは限りません。
喫煙する社員は、喫煙できないことがストレスとなり、集中力が低下して反対に生産性が低下してしまう恐れもあります。
全面禁煙ではなく、分煙にすることで、喫煙者と非喫煙者の共存が可能な環境を構築するのがよいでしょう。