2023.09.06
喫煙所コラム
飲食店を全面禁煙にするとどのようなデメリットがあるのか?
日本の飲食店では、屋内全面禁煙とするところが増えています。
これは、望まない受動喫煙の防止が、ルール化されたことが主な要因です。
また、健康意識の高まりというのも大きな要因と言えるでしょう。
ですが、飲食店を全面禁煙とすることで、デメリットはないのでしょうか?
今回は、「飲食店を全面禁煙とするデメリット」について解説します。
全体の8割以上が屋内全面禁煙としている
デメリットについて考える前に、現在の飲食店での喫煙環境について知っておきましょう。
厚生労働省の資料である、令和3年度「喫煙環境に関する実態調査」の調査結果によると、第二種施設の屋内における、火をつけて喫煙するたばこの喫煙環境は以下のようになっているそうです。
● 居酒屋・ビヤホール 屋内全面禁煙47.8% 喫煙専用室設置6.7% 左記以外43.6% 不明1.8%
● 喫茶店 屋内全面禁煙63.9% 喫煙専用室設置6.4% 左記以外28.1% 不明 3.3%
● 食堂・レストラン等 屋内全面禁煙83.2% 喫煙専用室設置3.7% 左記以外12.4% 不明0.7%
(引用元:厚生労働省 令和3年度「喫煙環境に関する実態調査」)
居酒屋やビヤホールでは、屋内全面禁煙の割合が、半分以下となっています。
しかし、食堂やレストランを見てみると、なんと83.2%が屋内全面禁煙となっているのです。
非常に高い確率となっていることがわかるでしょう。
このように、日本の飲食店などでは、全面禁煙が進められているのです。
非喫煙者にとっては、快適な環境となっていますが、非喫煙者にとっては、非常に厳しい環境となっていることがわかります。
具体的なデメリットは客離れの可能性があること
飲食店を全面禁煙にすれば、望まない受動喫煙を防止することができますので、メリットが大きいと考える人も多いと思います。
では、デメリットについてはどうでしょうか?
具体的には、次のようなデメリットが考えられます。
● 客離れの可能性があること
● 売上の低下につながる可能性があること
まず、大きなデメリットとして考えられるのは、客離れが起こる可能性です。
喫煙者が食事と喫煙を楽しむために訪れていたところを、全面禁煙にすると客離れが起こる可能性が高まります。
周囲に競合店が多い場所では、客が流れてしまうことになりかねません。
そして、最も大きなデメリットとして考えられるのが売上の低下につながる恐れがあることです。
女性やファミリー層をターゲットにしている店舗であれば、大きな心配はいらないかもしれません。
ですが、喫煙者が多く訪れている飲食店であれば、全面禁煙とすることで、喫煙者が訪れず売上が低下してしまうリスクがあります。
また、もう1つ懸念されるのが、喫煙者が訪れても滞在時間が短くなり、客単価が下がる可能性があるということです。
喫煙ができる飲食店であれば、食事と喫煙を楽しめるので、滞在時間が長くなり客単価が上がる可能性があります。
しかし、喫煙者にとって喫煙ができない環境では、長く滞在したいという気持ちにはならない恐れがあるのです。
そうなると、せっかく来店しても、滞在時間が短くなり客単価が下がってしまうかもしれません。
このように、全面禁煙にはメリットもありますが、デメリットも存在しているのです。
ですから、すぐに全面禁煙を実施するのではなく、メリットとデメリットの両方をしっかりと考える必要があります。
とくに、現在の客層の多くが喫煙者であるという場合には、その客の多くを失ってしまう恐れがあるのです。
客層や客の喫煙率などを考慮しながら全面禁煙、もしくは分煙を選択するとよいでしょう。
全面禁煙ではなく分煙を選択する方法もある
飲食店には、喫煙者と非喫煙者の両方が訪れます。
そのため、どちらかしか利用できない環境を構築するのではなく、両者が共存できる環境を構築するのがよいでしょう。
その方法とは、全面禁煙ではなく、分煙を選択することです。
法律に基づいて、喫煙可能な場所を明確にして、喫煙が認められた場所のみで喫煙を認めるようにすれば、両者の共存を可能にすることができます。
喫煙専用室の設置などのコストはかかりますが、全面禁煙による客離れや売上の低下を心配する必要がなくなるでしょう。
しっかりと分煙することで、喫煙者と非喫煙者の両者にとって、居心地の良い空間を構築することができます。
屋内に喫煙専用室を設置する場合には、一定の基準を満たす必要がありますので、必ず条件をクリアした喫煙専用室を設置しましょう。
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施設別導入事例
まとめ
飲食店では、屋内全面禁煙とするところが増えているようですが、デメリットも存在しています。
客離れや売上の低下、客単価が下がるなどのデメリットです。
とくに、客の多くが喫煙者という場合には、一気に売上が低下してしまう恐れがあります。
そのため、両者が共存できる環境を構築するために、分煙を選択するのがおすすめです。
法律に基づいて、分煙を行うことで、両者の共存が可能となります。