2023.12.06
喫煙所コラム
「健康日本21」 と「健康増進法」の違いはどのような点?
皆さんは、「健康日本21」と「健康増進法」という言葉を知っていますか?
後者については、馴染みのある言葉ですが、前者についてはよく知らないという人も多いでしょう。
今回のコラムでは、両者にどのような違いがあるのか、について解説します。
また、健康日本21と健康増進法がどのようなものであるのか、についても見ていきましょう。
健康日本21は国民健康づくり運動のこと
まず、「健康日本21」とは何かについてですが、厚生労働省が推進している、21世紀における国民健康づくり運動のことです。
これは、国民の健康に関する課題に、目標値を設定して、国民が主体的に取り組み健康意識の向上などを促すものとなっている。
2,000年から始まり、現在では第二次となっている。
5つの基本方針を定め、さらに、53項目における目標値を設定しているのが大きな特徴です。
また、5つの基本方針は、次のようなものとなっています。
① 健康寿命の延伸と健康格差の縮小
② 生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底(NCDの予防)
③ 社会生活を営むために必要な機能の維持及び向上
④ 健康を支え、守るための社会環境の整備
⑤ 栄養・食生活、身体活動・運動、休養、飲酒、喫煙及び歯・口腔の健康に関する生活習慣及び社会環境の改善
(厚生労働省:e-ヘルスネット 健康日本21「第二次」より引用)
それから、現在の第二次については、2023年度までとなっています。
第二次については、最終評価報告が厚生労働省のホームページで公表されており、達成状況などを確認することが可能です。
評価状況について知りたい方は、チェックしてみるとよいでしょう。
2024年度からは、健康日本21(第三次)が開始される予定です。
すでに、健康日本21(第三次)についても公表されていますので、どのような中身になっているのか知りたいという場合には、厚生労働省のホームページ等でチェックしてみるとよいでしょう。
どのような基本方針となっているのか、どのような目標を設定しているのか、などを確認することができます。
健康増進法は健康の保持や増進を目的とした法律
さきほどは、簡単にですが健康日本21が、どのようなものであるかを解説しました。
次に、「健康増進法」について解説します。
健康増進法とは、2002に公布された法律のことです。
国民の健康の増進、栄養の改善、健康の増進等を目的とした法律となっています。
それから、健康増進法について知っておきたいのが、この法律の中核となっているのが、健康日本21であるということです。
健康日本21の国民健康づくりと疾病予防を推進するための法律となっています。
また、健康増進法については、2003年の5月から施行されています。
健康増進法の中でも、押さえておきたいのが、第二条についてです。
(国民の責務)第二条 国民は、健康な生活習慣の重要性に対する関心と理解を深め、生涯にわたって、自らの健康状態を自覚するとともに、健康の増進に努めなければならない。
【健康増進法より引用】
その他では、次の4つについても覚えておく必要があります。
● 国民の健康増進の推進を図るための基本方針の策定
● 都道府県や市町村での健康増進計画の策定
● 健康診査の実施などについての指標の策定
● 受動喫煙の防止や保健指導、栄養指導、国民健康・栄養調査の実施
それから、2018年には改正健康増進法が公布され、受動喫煙の防止がルール化されています。
両者の違いについて
ここまで、健康日本21と健康増進法について、それぞれ解説してきました。
そのため、すでに両者の違いについても理解したという人が多いでしょう。
違いについてまとめてみると、次のような違いがあります。
運動と法律の違い
健康日本21というのは、5つの基本方針を定めて、53項目における目標値を設定している、国民健康づくり運動のことです。
こちらは、法律ではなく運動であり、目標値における達成状況を評価するものとなっています。
一方の健康増進法は、健康日本21を中核としているものですが、同じものではありません。
健康日本21のように、目標値を定め、達成状況を評価するものではなく、国民保険の向上を図ることを目的とした、法律となっています。
改正健康増進法に違反した場合には、最大で50万円以下の過料となる場合があるのです。
そのため、法律の内容をしっかりとチェックしておく必要があります。
とくに、法律が改正されて、受動喫煙防止がルール化されていますので、その点には十分な注意が必要です。
企業や施設、店舗等の経営を行っている人は、とくに注意が必要と言えるでしょう。
まとめ
健康日本21と健康増進法についてですが、似ている部分もありますが、違いもあります。
健康日本21は、国民健康づくり運動のことですが、健康増進法は、健康日本21を中核とした法律となっています。
改正健康増進法では、受動喫煙防止がルール化されており、違反した場合には過料等が適用される可能性があるのです。