2023.07.26
喫煙所コラム
受動喫煙と喫煙どっちが悪い?受動喫煙の方が影響は大きい!
日本では、望まない受動喫煙防止がルール化されていますが、受動喫煙と喫煙者自身では、どちらが健康への影響が大きいのでしょうか?
今回は、「受動喫煙と喫煙どっちが悪いのか?」について解説します。
健康への影響が大きいのは受動喫煙
知っている人も多いと思いますが、たばこの煙には、2つのものがあります。
1つは、喫煙者自身が直接体内に吸い込む「主流煙」。
もう1つは、たばこの先端から出る「副流煙」です。
では、「受動喫煙と喫煙どっちが悪いのか?」が気になると思います。
結論から言ってしまうと、健康への影響が大きいのは、受動喫煙つまり副流煙です。
主流煙と副流煙に含まれる化学物質は、副流煙の方が多いと言われています。
さらに、副流煙は主流煙よりも高濃度の有害化学物質が含まれているのです。
具体的に、どのくらいの濃度の違いがあるのかを見ていきましょう。
厚生労働省の「e-ヘルスネット(たばこの煙と受動喫煙)」によると、主流煙を1とした場合に、副流煙の比率は以下のようになるそうです。
● ニコチン 2.8~19.6倍
● タール 1.2~10.1倍
● 一酸化炭素 3.4~21.4倍
● アンモニア 294.2~2,565.5倍
(厚生労働省 e-ヘルスネット 「たばこの煙と受動喫煙」から作成)
主な、有害物質について紹介しましたが、いずれの有害物質も主流煙よりも高濃度となっていることがわかります。
このような理由から、受動喫煙の方が、健康への影響は大きいと言えるでしょう。
換気扇の下で喫煙をするのは対策にはならない
受動喫煙の方が、健康への影響が大きいと解説しました。
そのため、喫煙者は望まない受動喫煙を防止しなければなりません。
しかし、喫煙者の中には、誤った対策を行っている人が少なくないようです。
例えば、誤った対策として挙げられるのは、次のようなもの。
● 換気扇の下で喫煙をする
● ベランダで喫煙をする
● 空気清浄機を設置する
喫煙者の多くは、換気扇の下で喫煙を行えば、十分な対策になると考えていることでしょう。
しかし、換気扇の下で喫煙をするというのは、間違った対策でしかありません。
換気扇からたばこの臭いが漏れ出して、隣人や周囲の通行人とトラブルになる場合があります。
換気扇は、有害物質を除去するわけではありませんし、そのまま外に流れてしまうので、他の人が受動喫煙をしてしまうリスクがあるのです。
それから、同じようなものとして、ベランダで喫煙をするというものがあります。
ベランダであれば、他の人にも迷惑がかからず、問題がないと考えてしまうことでしょう。
ですが、実際には大きなトラブルとなってしまうことがあります。
ベランダで喫煙した場合、煙が上階や隣の部屋、周囲に広がってしまうのです。
そのため、煙や臭いをめぐり、訴訟問題に発展したケースもあります。
たばこの煙は、風に乗って遠くまで届きますので、受動喫煙を防止するという観点から見ると、間違った対策と言えるでしょう。
その他で、挙げられるのが空気清浄機の設置です。
たしかに、空気清浄機を設置すれば、煙や臭いを分解してくれるイメージがあります。
ですが、結論から言えばこちらも間違った対策です。
空気清浄機は、粒子状物質の除去はできるものもありますが、ガス状物質の除去はできません。
たばこの有害物質には、ガス状の有害物質も含まれていますので、十分な効果を得られないことがわかるでしょう。
加熱式たばこの影響は不明
最近では、加熱式たばこを吸う人も増えています。
では、加熱式たばこの場合には、受動喫煙による健康への影響はどのくらいなのでしょうか?
結論から言ってしまうと、現在のところでは研究段階で、科学的根拠は十分ではないとされています。
メーカーなどでは、有害物質が少なくなっていると主張していますが、それが本当であるのか、どの程度健康への影響があるのかは、わかっていません。
ただし、加熱式たばこの中には、紙巻たばこと同じくらいのニコチンを含む製品もあると言われています。
そのため、何らかの影響が出る可能性は、否定できないでしょう。
紙巻たばこを加熱式たばこに変えるだけでは、受動喫煙を防止することにはなりません。
喫煙者と非喫煙者が共存可能な環境を作るには、決められたルールを守り、非喫煙者の望まない受動喫煙を防止することが大切です。
また、喫煙をする際には、受動喫煙による健康への影響を考え、周囲に十分な配慮をした上で喫煙をすることが重要となります。
まとめ
受動喫煙と喫煙では、受動喫煙の方が、健康への影響は大きいと言えます。
副流煙には、主流煙よりも多くの有害物質が含まれており、有害物質の濃度も高いためです。
そのため、喫煙者は望まない受動喫煙を防止することが求められます。
また、喫煙をする際には周囲に十分な配慮が必要です。
紙巻たばこだけの話ではなく、加熱式たばこについても、同様に注意が必要と言えるでしょう。
喫煙者と非喫煙者の共存のためには、周囲への配慮が重要です。