2024.02.29
喫煙所コラム
スモークハラスメントはなぜ起こる?その原因や対処法とは?
職場で起こりやすいハラスメントの1つが、「スモークハラスメント(スモハラ)」です。
この問題を放置するとさまざまなリスクがあります。
場合によっては、訴訟に発展することも考えられるでしょう。
今回のコラムでは、スモークハラスメントが起こる原因や具体的な対処法について解説します。
職場で起こりやすいハラスメントの1つが、「スモークハラスメント(スモハラ)」です。
この問題を放置するとさまざまなリスクがあります。
場合によっては、訴訟に発展することも考えられるでしょう。
今回のコラムでは、スモークハラスメントが起こる原因や具体的な対処法について解説します。
嫌がらせや非喫煙者への配慮不足によって起こる
まず、理解しておきたいのがスモークハラスメントは、「なぜ起きるのか?」です。
原因は、複数あります。
その原因とは、次のようなものです。
嫌がらせ
大きな原因として挙げられるのが、嫌がらせ。
例えば、「自分と意見や考え方があわない!」「自分よりも能力が高いから嫌い!」など非常に幼稚な理由で嫌がらせとして、スモークハラスメントを行う人がいます。
上司と部下の関係だけでなく、同僚という関係でも起こる場合があるのです。
配慮不足や認識不足
それから、大きな原因として挙げられるのが、周囲への配慮不足や認識不足というもの。
喫煙者からすると、喫煙をすることがあたりまえという考え方になっています。
しかし、喫煙者からすると、たばこの煙や臭い、また健康被害のリスクなどから、できるだけたばこに関わりたくないという人が多いのです。
このような非喫煙者の考えを十分に理解できない、非喫煙者への配慮を行わない場合には、スモークハラスメントが起きてしまいます。
職場では、喫煙者と非喫煙者が混在しているのが一般的ですので、十分な注意が必要です。
ハラスメントの1つであることを認識することが大切
職場で起こるハラスメントでは、パワハラやセクハラなどが有名です。
パワハラやセクハラと比較すると、スモハラは重要な問題ではないと考えてしまう、経営者や喫煙者もいるようですが、それは誤った考え方と言えるでしょう。
大切なことは、スモークハラスメント、スモハラも立派なハラスメントであると認識することです。
また、非喫煙者にとっては許せない行為となりますので、喫煙者と非喫煙者の共存を可能にするためには、職場におけるスモハラを防止することが重要となります。
職場に必要なスモハラ対策
職場に必要なスモハラ対策としては、次のようなものがあります。
喫煙所等の設置
まず、重要となるのが喫煙所等の設置です。
喫煙所等を設置して、喫煙可能な場所と喫煙できない場所を明確にすることが重要となります。
明確になっていないと、勝手に喫煙をしてしまう喫煙者が出てきて、スモハラにつながる恐れがあるのです。
喫煙所を設置する際に注意しておきたいのが、施設によって法律が異なる点。
施設の種類によって、設置できる場所やクリアしなければならない基準が異なります。
法律に適していない場合には、罰則等が適用される場合もありますので、注意が必要です。
喫煙ルールの設定や従業員への教育
職場においては、分煙をしただけでは十分な対策とは言えません。
さらに必要となるのが、喫煙ルールの設定や従業員への教育です。
例えば、営業車を複数の社員が使用するという場合についてですが、ルールを決めておかないと、喫煙者は車内で喫煙をする可能性が高いでしょう。
たばこの煙や臭いは車内に残るので、喫煙者である社員が使用した後に、非喫煙者が使用する場合には、大きなトラブルとなってしまう可能性があります。
ですから、複数の社員が社用車を使用する場合などには、きっちりとルールを決めておくのがよいでしょう。
喫煙ルールについては、どうしても曖昧になってしまうことが多いので、就業規則に盛り込んでおくのも効果的です。
就業規則に明記しておくことで、ルールが曖昧になることを防げますし、新しく入ってきた従業員もルールをすぐに理解することができるでしょう。
それから、ルールを決めるだけでなく、従業員への教育も非常に重要となります。
教育では、たばこの周囲への影響や非喫煙者の考え方などについてしっかりと理解してもらうことが必要です。
喫煙者への禁煙サポート
近年では、健康志向の高まりによって企業が喫煙者である従業員に対して、禁煙のサポートを行うケースも増えています。
例えば、「SOMPOホールディングス株式会社」では、社員の禁煙をサポートするために、禁煙の治療のための費用の一部を補助する、セミナーの開催や個別のフォローを行うなど、喫煙する社員の禁煙支援を継続的に行っているようです。
(参考:SOMPOホールディングス株式会社)
従業員にただ禁煙を促しても簡単には理解してもらえないでしょうが、企業からのサポートを行うことで、禁煙を行いやすくなるという効果を期待できます。
喫煙する社員が少なくなることでも、スモハラ対策になると言えるでしょう。
喫煙する社員が多いという場合には、実施してみると効果的と言えそうです。
その他では、オンラインを活用した禁煙プログラムを行う企業もあります。
オンラインを活用した禁煙プログラムでは、通院をするのではなく、パソコンやスマートフォン、タブレット端末などを使い、医師によるオンライン診療を受けるというものです。
直接医療機関に行く必要がないので、自宅などから簡単に参加できるのがメリットとなっています。
仕事の忙しさなどから、通院ができずになかなか禁煙ができないという従業員も、オンラインであれば取り組みやすいので、非常に有効と言えるでしょう。
こちらは、アクサ生命保険株式会社などで導入されています。
(参考:https://www.axakenpo.or.jp/hoken/kinensupport/)
ここで解説してきたように、スモハラ対策にはさまざまなものがありますので、それぞれの環境や予算、目的などにあわせて最適な対策を行うとよいでしょう。
また、1つの対策だけでなく、複数の対策を行うのもおすすめです。
スモハラを放置すると
職場に求められるスモハラ対策について解説しました。
しかし、経営者や喫煙者の中には、スモハラ対策にはコストや手間がかかるため、「放置してもよいのではないか?」と考えてしまう人もいるでしょう。
ですが、もしもスモハラを放置してしまった場合には、大きなリスクがあります。
そのリスクとは、訴訟を起こされるリスクです。
実際に、非喫煙者の従業員から訴訟を起こされたというケースがあります。
訴訟を起こされた場合には、2つの大きなデメリットがあるのです。
1つは、金銭的なデメリット。
訴訟を起こされた場合には、解決をするために、和解金を支払わなければならないでしょう。
そのため、金銭的な面で大きな負担となります。
もう1つのデメリットは、社会からの信頼が低下してしまう可能性があるということ。
一般的に、従業員から訴訟を起こされた企業は、社会から見ると信頼できないという印象を与えてしまうことになります。
そのため、信頼を失うことになりますし、上場企業であれば株価などにも影響する可能性があるのです。
さらに、取引先からも継続して取引をしても大丈夫なのか、と関係が悪化してしまう可能性もあります。
訴訟を起こされるリスクについて解説しましたが、リスクは訴訟だけではありません。
非喫煙者の社員がスモハラを放置しているという理由によって、退職してしまう可能性もあります。
優秀な人材を失ってしまえば、企業にとって大きな損失となりますし、代わりの人材を探すのも簡単なことではありません。
非喫煙者の優秀な人材が流出してしまうというリスクもあるのです。
このようなリスクがあるため、スモハラを放置するのではなく、十分な対策を行い、万が一スモハラが起きた場合には適切な対応を行うことが求められます。
スモハラを放置すると、さまざまなリスクがあるということを覚えておきましょう。
スモハラの対処法
十分な対策をしていても、スモハラが起きる可能性は否定できません。
そこで覚えておきたいのが、実際にスモハラが起きてしまった場合の対処法についてです。
具体的には、次のような対処が必要となります。
状況の確認
職場でスモハラが起きた場合には、状況を確認しなければなりません。
職場でのどこで・誰が・どのような状況で発生したのか、などの調査を行います。
また、スモハラを行っている人物が特定されている場合には、その人物に対して注意を行うのが適切です。
ルールの見直しや環境の改善
それから、状況を確認しただけでは問題の解決にはなりません。
スモハラの再発を防ぐことが求められます。
再発を防ぐためには、現在の喫煙ルールの見直しや現状の環境が適切であるか、について見なおすべきです。
スモハラが起きたということは、ルールや環境に問題があった可能性があるため。
ルールや環境に問題があるという場合には、すぐに見直しや改善を行いましょう。
スモハラは放置するのではなく、早急に対応を行うことが重要となります。
再発を防止して、喫煙者と非喫煙者の両方が快適に働ける環境を構築しなければなりません。
逆スモハラにも注意
ここまでは、スモハラに関する注意について解説しました。
スモハラとともに、注意しなければならないのが「逆スモハラ」についてです。
逆スモハラとは、簡単に解説すると、スモハラの反対のこと。
非喫煙者が喫煙者に対して、禁煙することを強要する行為や喫煙していることに対して、叱責をする行為、その他喫煙する社員に対して、嫌がらせをする行為などが挙げられます。
喫煙ルールを守ることや受動喫煙を防止することは、とても重要なことですが、喫煙者に対して禁煙を強要するもしくは嫌がらせをするなどの行為は許されるものではありません。
スモハラを放置するリスクのところでも解説しましたが、もしも逆スモハラが起こると、喫煙者である従業員から訴訟を起こされるリスクもあります。
訴訟を起こされてしまえば、社会的な信用を失うかもしれませんし、金銭的な負担も大きくなってしまうことでしょう。
さらに、逆スモハラを放置していると、喫煙者の社員が離職してしまうリスクもあります。
社員が離職してしまえば、業務効率が低下するのはもちろんですが、他の社員の負担も大きくなってしまうでしょう。
スモハラを放置すると大きなリスクがありますが、逆スモハラについても放置してしまうと、大きなリスクがあるということを知る必要があります。
逆スモハラについても周知を行っておくとよいでしょう。
法律に基づいた受動喫煙防止対策は専門業者に相談しよう
一般的な職場では、喫煙者と非喫煙者が混在しています。
そのため、喫煙者と非喫煙者が共存できる環境を構築することが大切です。
スモハラや逆スモハラを防止するためには、法律に基づいた受動喫煙防止対策を行うのがおすすめ。
受動喫煙防止対策については、施設の種類によっても喫煙ルールが異なりますし、設置する場所や予算などによっても、適切な対策は変わります。
そのため、まずは専門的な知識があり、法律に基づいて適切な対策を行える、専門業者に相談するのがよいでしょう。
業者に相談する場合、どうしても「価格の安さ」だけで業者を決めてしまうというケースが多くなっていますが、価格だけで決めてしまうのは、適切とは言えません。
専門的な知識がなければ、せっかく対策を行っても、法律に基づいていないものとなってしまう場合があるからです。
ただ対策を行えばよいというものではなく、法律に基づいて、対策を行うことが重要となります。
そのため、価格だけではなく専門的な知識があるか、豊富な実績があるか、なども業者を選ぶ際にはチェックしておきましょう。
弊社では、分煙コンサルタントを配置しております。
現状の不満点や問題点、設置場所やどのような対策を行えばよいのかわからない、など受動喫煙防止対策のことなら、お気軽にご相談ください。
屋内向けや屋外向けの喫煙所など、さまざまな商品をご用意しております。
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施設別導入事例
まとめ
スモハラや逆スモハラは、職場で起こる可能性のあるハラスメントです。
放置してしまうと、訴訟を起こされるリスクや従業員が離職してしまうリスク、社会的な信頼を失うリスクなどがあります。
そのため、原因を分析して、しっかりとした対策を行うことが大切です。
対策を行う際には、法律に基づいた適切な対策を行えるように、専門的な知識を持つ専門業者に相談するのがおすすめです。
スモハラ対策や受動喫煙防止対策のことなら、お気軽にご相談ください。