2023.06.02
喫煙と健康
特別養護老人ホームで喫煙は可能?法律ではどうなっている?
公的な介護施設としてよく知られているのが、「特別養護老人ホーム(特養)」です。
一般的な有料老人ホームよりも費用が安いため、注目を集めています。
そんな、特別養護老人ホームについてですが、「喫煙は可能なのか?」が気になることでしょう。
喫煙者はもちろんですが、非喫煙者の方でも望まない受動喫煙を避けるためにも知っておきたいものです。
今回は、「特別養護老人ホームで喫煙は可能なのか?」「法律ではどのように決められているのか?」について解説します。
原則屋内禁煙だが規制の適用が除外となる場所もある
日本では、喫煙に関する法律が改正されました。
そのため、喫煙に関する正しいルールを覚えておくことが大切です。
今回、注目したいのが特別養護老人ホームについて。
公共の介護施設であり、料金面での魅力から注目が高まっている施設です。
まず、現在のルールについてですが、特別養護老人ホームは第二種施設に分類されています。
この第二種施設では、原則屋内禁煙となっていますが、一定の基準をクリアした喫煙専用室や加熱式たばこ専用喫煙室の設置は可能です。
また、屋外については厳しい制限はありませんが、配慮義務があります。
さらに、少し複雑になっているのが、規制の適用除外となっている場所があることです。
特別養護老人ホームの多床室・共用部については原則禁煙となっていますが、個室については適用除外となっています。
つまり、喫煙が可能なのは一定の基準を満たした喫煙専用室・個室・屋外などになるということです。
適用除外となる場所もあり、少し複雑となっていますが、しっかりと覚えておきましょう。
適用除外の場所でも受動喫煙防止対策が必要
特別養護老人ホームでは、原則屋内禁煙となっていますが、個室については適用除外となっていると解説しました。
そのため、個室であれば自由に喫煙が可能だと勘違いしてしまう人もいるかもしれません。
しかし、適用除外の場所であっても、望まない受動喫煙を防止しなければならないのです。
もしも、個室が除外されているということで、自由に喫煙をしていた場合、どうなってしまうでしょうか?
たばこの煙やニオイが、廊下や他の入居者の部屋にまで届くことになります。
入居している方の中には、病気の方などもいますし、非喫煙者の方も多くいますので、望まない受動喫煙を防止することが最も大切です。
十分な受動喫煙防止対策を行わなければ、大きなトラブルへと発展してしまう可能性があります。
さらに、他の入居者からクレームにつながる恐れもあるのです。
ルールに従って喫煙を行う
基本的には、喫煙者と非喫煙者が混在している環境ですので、それぞれルールを決めているという施設が多くなっています。
具体的には、喫煙可能なスペースや時間などを制限するというものです。
入居者は、介護を必要とする人ばかりですので、喫煙をする際には職員が付き添う必要があるという場合もあります。
喫煙者の入居者だけに、職員が対応していると施設全体の運営に影響が出てしまうという恐れもあるため、喫煙可能な場所や時間帯などを制限しているケースが多いのです。
また、喫煙可能な空間や時間などを制限することで、望まない受動喫煙を防止するのに役立ちます。
両者が共存できる環境を構築するためには、決められたルールに従って喫煙を行うことが大切です。
ルールを守らないと、職員や他の入居者の方に大きな迷惑をかけることになります。
喫煙専用室を設置している割合は6.1%
特別養護老人ホームでの喫煙についてですが、厚生労働省の「令和3年度喫煙環境に関する実態調査」によると、福祉施設(特別養護老人ホーム・通所・短期入所介護施設・認知症高齢者グループホームなど)の屋内における火をつけて喫煙するたばこの喫煙環境は、以下のようになっています。
● 屋内全面禁煙 83.8%
● 喫煙専用室設置 6.1%
● 上記以外 10.1%
データを見てみると、屋内で喫煙が可能な施設はかなり少ないことがわかります。
また、屋内では一定の基準を満たせば、喫煙専用室の設置が可能ですが、設置している割合はたったの6.1%です。
そのため、これから特別養護老人ホームに入りたいと考えていて、喫煙を希望されている方は、入居する前に喫煙が可能であるか、喫煙ルールについてしっかりと調べておきましょう。
それぞれの施設によっても、大きく変わりますので注意が必要です。
最近では、ほとんどのところでホームページがありますので、そちらで情報をチェックしてみるとよいでしょう。
不明な点は、メールや電話などで直接確かめておくのもおすすめです。
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施設別導入事例
まとめ
特別養護老人ホームは、第二種施設に分類されており、原則屋内禁煙となっています。
一定の基準をクリアした喫煙専用室や加熱式たばこ専用喫煙室の設置は可能です。
少し複雑なのが、多床室・共用部については原則禁煙となっていますが、個室については適用除外となっていること。
ただし、望まない受動喫煙を防止しなければなりません。
喫煙が可能であるかは、それぞれの施設によって異なるため、事前にしっかりとチェックしておきましょう。